「沙耶、」


俺たちの額が、合わさる。


交わり合う、運命のように。


(……愛してる)


そう、心の中で呟けば、この気持ちはストンと落ちた。


俺の服を必死に握り、話さない沙耶の小さな手の上に自分の手を重ね、包み込む。


「そ、ま……」


見上げてくる、彼女の瞳には光がなく。


今にも死にそうなくらいの生気の無さに、驚いた。


「………」


弱まる、彼女の光……


それを引き止める術は。


「んっ……!?」


生命の守護聖からの、口付けのみであった。





  | 見つけた、愛。  2016.7.23   完。|