「桜なら…お父様が責任もって、見ているわ。だから、大丈夫」


「チッ、そういう問題じゃねーんだよ」


家のことで芽生える確執。


焔棠、御園、姫宮。


我ら三家は数十年前から、人あらざるものと戦っている。


その確執は前世まで遡るのだが、その戦いの犠牲者は、まず、薫の両親。


雪さんの最愛の妻の千夏さん。


そして、桜の父親と桜自身。


桜の母親は、桜を預けたきり、行方不明となっている。


私たちの知る事の始まりは、桜の母親、美桜さんが桜を産んだことだった。


やんちゃで、先生たちが手を焼いていた彼女はある日、教師だった、桜の父親、京さんと出会う。


いけない恋だと分かっていた。


これは、禁忌だと。


それでも止められず、愛し合った二人。