【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1



『……この女狐!!自分が殺す相手を……最低だ!』



そうだよ。


私は、最低で、醜くて、欲しくもない愛を独り占めして、人を踏み台にする人間だ。


でも、そうしなければ、私は死ぬ。


死なないために、手を汚す。


私が招いた悲劇。


『やめろぉぉー!!』


咆哮が響く。


悲しみの、咆哮が。


ちゃんと、見届けるから。


『ごめんなさい、ごめんなさい、私のせいで、ごめんなさい――……』


苦しい。


私の願いは、こんなものじゃなかったはず。


それなのに、どうして、こんなことになった?


『もう、やめてくださいませっ!わたくしは、望んでおりませぬ!草蘭を、守り抜きますから……子を、無事に生みますから……ですから、もう、やめてくださいませ……っ、!!』



私が、殺した。


大好きだった、友達も。


その子供も、夫も、家族も。


全部、全部、全部、全部。


自分が生きるためだけに、殺したんだ。