私が、“沙耶”が知っている記憶の中の、前世の私もすごく醜い。 汚くて、弱くて。 強くならねばと、何度も泣いた。 走り抜けて、走り抜けて、私は守りたいものを守ろうとしたの。 けど、それは……間違いでしたか? 私一人の、エゴですか? 嗚呼、今日も記憶の中で、私は口を開く。 息をする。