目を閉じれば、笑顔が浮かぶ。 沙耶と、夕蘭の笑顔が、たくさんの笑顔が。 脳内に映り出す。 『夕蘭、お前を愛してる』 そういった日の記憶。 綻んだ、嬉しそうな夕蘭の笑顔が、記憶に深く、刻まれていた。 (……夕蘭) また、お前に会いたい。 だって、会えばわかるだろう? これが、”好き“という感情なのかということが。 お前に好きと言えた日が、懐かしい。 再び、言える日は来るだろうか。 お前に”好き“だと、 ”愛してる“と。