【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1



「いや、ねぇよ。姉貴自体が、俺のことを殴るし」


「いやいや。あのねぇ?他人と自分が殴るのは、話が違うんだよ。分かる?」


「?……何がちげぇんだよ?」


「……何言っても無駄か。何でもない」


こうして、たまに会話が成立しないのにとてもいらつくが、生きてきた世界が違うので仕方がない。


「……まぁ、姉さんはいいんだ。いつもだから。ところで」


額に手を当てられ、首をかしげた。


「……なに?」


「熱、あんな……休めよ、もう」


心配そうな彼。

心配する意味は、どこにあると言うのか。


「へぇ?平気よ?」


「じゃあ、体温計で計れよ」


そう来るか。


「……寝ます。おやすみなさい」


面倒くさいし、絶対、高くなっているから、黙って、布団に潜り込んだ。


「大変、よろしい」


横になった私の頭を撫でてくるこいつは、何を考えているのだろうか。