「……沙耶!」
出ていった相馬が、帰ってきた。
「やっぱり……姉さん、こんなところで寝ないで、家でしっかり休め」
「……相馬、京子の今回の成績は?」
「五日半。132時間、不眠不休」
「……休ませようね。無理矢理でも」
「……休まねぇんだよ。ごく軽い、睡眠薬を混ぜて出したら、便所に立った隙に入れ換えられて……俺が寝ちまったし」
(……相馬に勝つとは、さすがお姉さんと言うところだな……と、いうか)
「京子、敏感だからね」
頷き合う、二人。
「でも、何で、私に抱きついてきたの?やっと、会えたって言われたんだけど?」
相馬がなんか変な話をしているのなら、口止めをしなくてならないのだが。
「たぶん、有名になってるからじゃね?お前が俺を殴ったこと」
「え。マジ?最悪……」
やっぱり、相馬を殴ったのは、大きかったらしい。
じゃあ、やっぱり……
「私を殴りに来た、とか?」
そんな考えを口にすると。


