すべては流れだ。 交わり、はぐれ、また、交わり。 そんな風に、俺らは生き、世界を作る。 「やっぱり、そう思うか?遺伝なんだよ、ユイラの」 だからこそ、俺と沙耶は出逢ったのかもしれない。 何故、出逢ってしまったのかと後悔していたが、良い方に考えられるのなら、確かにそれは、幸福なことだ。 最悪の形で失った、最愛の女。 彼女が再び、目の前に現れたのだから。