「……まぁ、考えても、あいつの考えだから、分からないんだけどね」
ふう、とため息をついた沙耶は、ベットの上で胡座をかく。
「夏翠は?勉強とか、大丈夫?」
「あ、それは、全然」
勉強とか、そんなもんの心配はしていない。
「将来で必要なものはすべて、終わってるから」
幼い頃に学び終えているからこそ、今、勉強に追われることはない。
「帝王学かぁ~金持ちは大変だ」
常に、冷静であること。
感情を表に出すことは、避けよと言われ続けたが。
「……沙耶も一応、お嬢様よね?」
この子は、とても分かりやすい。
初対面では警戒してしまって、嫌われる私でも、すぐに仲良くなれた相手。


