すりっと、手に頬を寄せてきた沙耶は、こどものような無邪気な笑顔を浮かべて、笑ってた。
「……わりぃな」
頭を固定し、沙耶に口を開かせる。
そっと、唇を合わせ、酸素を送る。
いつもの元気が全くない沙耶は、ただ、ただ、壊れた人形のように、ベットの上で、酸素を送られていた。
暫くすると、ふっと、気を失った沙耶。
荒れ気味だが、酸素をもらっただけで、だいぶ、落ち着いた彼女の呼吸。
「…………方法がどうであれ、取りあえず、助かったわ。ありがとう、相馬」
「お前、相手が自分の巫女だったやつにしても、善処してやれよ。今は、普通の女子高生なんだから」
一部始終を見ていたくせに呆れたようにため息をつく、こいつらはなんの話がしたいのだろうか。


