耳が痛くなるような、絶叫を聞きながら、保健室を目指す。 小走りしながら、動く叶夢。 「沙耶、発作持ちだって調査書に書いてる。なのに、あんなに種目に出て……待て、呼吸器でも、発作が治まらないんだが……」 酸素を上手く吸えないらしい沙耶は、淡々しく、微笑んで。 (いつものことだから、大丈夫) と、目で訴えてくる。 だからと言って、発作を止めるものである道具が使えないというのは……