沙耶と、相馬の持つ、生まれながらの威光。 彼らはすごい。 けど、沙耶はその自覚がない。 自分がどれだけの人間を無意識に救っているかも知らずに、自分は嫌われものだと苦笑する。 「嫌われてなんか、いないんだけどな……」 ぼそり、そう呟いたとき。 「……黒橋さんっ!!」 どこかから、ハッキリとそう聞こえた。