「何で…?」 「炎樹が初めてきれいだと、誉めてくれたものなんですって」 紅鈴は震える手で、それを俺に手渡してきた。 受け取って、そっと、それに触れる。 「馬鹿、だろ……本当に、馬鹿……」 桜蘭は恋をした。 朱鷺と生きたいと望んだ。 それは、一つの運命。 「……この石は?」 別に包まれていた、赤い石を手に桜蘭が首をかしげる。 燃えるような赤い石。 目を引き付けられる、それは――…… 「……炎樹の封力石。炎の力だ」 俺の、巫女の証。 彼女は分かっていて、この道を選んだ。