「草志?目の色、変わったね」


彼女だけが気づいた、彼女の前だけでの変化。


愛し合うようになり、俺たちは多くのものを見つけた。


夕蘭が、姿を消してしまうまで。



どんなに憎もうとしても、無理だった。


愛していたから。


だったら、いつか、枷なんかない世で、結ばれたいと願いさえもした。


でも、それはあくまで、俺の過去の願い。



今は、場合も状況も違うから。


ならば、自分は生きていようと思う。


せめて、彼女が生きている間は……彼女がずっと、笑っていられるように。