■相馬side□



「何してほしいの?」



……そんな、望みなんてない。


かつて、愛した相手。


お前も俺らを愛してくれていたから、


今世でも愛せ、と言わない。



ただ、伝えておきたかった。


夏翠を守るために、


彼女らが傷付かないために、


俺らがいつでも、彼女らの味方であることを。


なのに、沙耶は、強い瞳を向けて、そう言う。


本当に、変わらない……。