「……って、こと?相馬」


「……相変わらず、お前、物覚えが良いな」


「……何それ。夕蘭もそうだったの?」


「ああ……」



私の知らない、相馬が深く……ううん、相馬の前世が深く愛した、女の人。


彼から語られる、私の前世。


まったく、覚えていないけれど。


「お前らが現れたときは、ただ、驚いた。澪とかは、生まれたときからいたが……いなかったのは、全員、俺らを嫌いだと言ったやつらだったから」


相馬の話だと、守護聖を裏切った巫女はそれなりの罰が与えられるらしい。


だからだろう。


彼らが、私たちを見て、安堵するのは。