それがおとぎ話でないならば……


解放した、時の皇帝さん。


その時には、すでにすべてを失っていた彼等。


愛する人も、帰る場所も、何もかも――……。


そして、最終的に全員は……彼らが力を授けた皇女と共に姿を消した風の守護聖以外は、命を捨てた。


“愛するもののいない世界では生きられない”


……そう言い遺して。


“来世でまた、逢おう”


……彼らが愛する人と約束した、願い事。