きっと、誰よりも自分に厳しいからだ。


「柚香!」


「沙耶」


優しくて、厳しいから……彼女は、自分を責め続ける。


「勇兄ちゃんも帰ってたみたいだね……迷惑かけて、ごめん。手伝う」


「良いよ~大体、分かるし」


「助かる!……あ、真姫もありがとー!」


――はい!


彼女が誰よりも、誰よりも、努力をしていることを知っている。


だからこそ。


私は、沙耶の側にいて、どんなときでも手を貸したい。


沙耶があの日、してくれたように。


沙耶は、すごい女の子なんだから。


でなければ、真姫が、相馬が慕うはずがない。


本人に自覚がないのなら、側にいて、ずっと、ずっと、言い続ける。


どんなときでも、どんな場所でも。


”沙耶はすごいよ“……その一言を。