「……いいのか?」


「フフ、中華で、手を打ってあげる」


ニッコリと微笑む。


ギブ・アンド・テイク。


これほどまでに私に相応しい言葉はないだろう。


「放課後、屋上で」


「え?もう、家でよくない?」


「―……は?何処に集まるんだよ」


「色々あるでしょ。……あんたんちとか」


「却下」


「えー、じゃあ、うちでいいよ」


確か、家には今日も誰もいないはず。


すると、相馬は一瞬、黙って。



「やっぱ、今度の放課後で」


と、言った。


「誰もいないから、平気よ?」


相馬が色々と考える性格ではないのは分かっているが、一応、言っておく。


「……飯は、今夜な」


「え、前払い?ラッキー!」


嬉しかったので、素直に喜べば。


「お前、本当にすぐに顔にでるな」


ポーカーフェイスと言われることの方が多いのに。


彼も何故か、私を見て嬉しそうに微笑んで、私の頭を優しく、撫でた。


(……余計なことを。火に油注いで)


頭を撫でられるのは、嫌いじゃない。


けど、こんなところではやめて欲しかった。