「みんな、おはよー!」
元気よく駆けてきた澪は、そばの千歳の背中を叩いた。
「昨日の夜ぶりー」
「痛い!痛いって!義姉さん!」
「えー、力、特に入れてないよー?」
「義姉さんの普通は、普通じゃないから!兄さんと久しぶりにあえて、嬉しかったのはわかったから!」
必死すぎる言い方からすれば、よっぽど、痛かったらしい。
「へー、澪、旦那にあってきたんだ?」
「うん!相模ったら、また、格好よくなってた~!」
千羽相模というのは澪の夫であり、 薫の右腕兼世話係の人である。
そして、千歳の兄で、千羽家の長男。
とっくに成人しているから、こっちには来ず、あっちで仕事をしているらしいが……新婚に、離ればなれは辛いんだろう。
おまけに、ここまで愛の強い澪夫婦にとっては。
相模という人物にあったことないのでよく分からないが、澪が言うに、クールらしい。
顔は勿論、良いだろう。
千歳の兄なのだから。


