【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1



「キャアアアアーーーー!!!!」



ざわめく人々の中、登校してきた奴等は顔をしかめた。



「うるさっ」


「チッ……」


顔好し、頭良し、家柄良しの集まりである集団は、不機嫌そうに教室に入ってくると、私を見つけて、寄ってくる。



「……おはよ、お疲れ~」


朝御飯がわりの野菜ジュースを手に、そちらに目をやれば。


「……お前と同じクラスで良かったよ。うん」


「ほんと……毎回思うけど、耳が痛い……」


「運良かったよな。俺ら」


ぶっちゃけると、ここにいるのはあくまで一部の集団なのだが、彼らは少ない人数でも、とても存在感がある。


「意味わかんないんだけど」


空になったパックを横にあった鞄に突っ込んで、彼らを振り仰ぐ。


「薫、蒼生、千歳……うん、名前までモテそう……宿命と思って、諦めな?」



「うわ……放置感がすごいし」


「あり?光輝まで、疲れてんの?賑やかなの好きなんじゃ……」


「この賑やかと、俺の好きなのは違う!」


基本が明るい光輝も女の叫びは嫌いらしく。


「俺も、光輝のそばにいてここまではないな……」


「おおう……世話係も大変なんだね。風斗」


光輝の世話係の風斗も、片手で頭を押さえている。


見てわかるように、げっそりしている彼ら。


クラスの中でも、女子の視線が……



「こりゃあ、とばっちりかな」



今年もまた、呼び出しをくらいそうだ。