「キャアアアアーーーー!!!!」
ざわめく人々の中、登校してきた奴等は顔をしかめた。
「うるさっ」
「チッ……」
顔好し、頭良し、家柄良しの集まりである集団は、不機嫌そうに教室に入ってくると、私を見つけて、寄ってくる。
「……おはよ、お疲れ~」
朝御飯がわりの野菜ジュースを手に、そちらに目をやれば。
「……お前と同じクラスで良かったよ。うん」
「ほんと……毎回思うけど、耳が痛い……」
「運良かったよな。俺ら」
ぶっちゃけると、ここにいるのはあくまで一部の集団なのだが、彼らは少ない人数でも、とても存在感がある。
「意味わかんないんだけど」
空になったパックを横にあった鞄に突っ込んで、彼らを振り仰ぐ。
「薫、蒼生、千歳……うん、名前までモテそう……宿命と思って、諦めな?」
「うわ……放置感がすごいし」
「あり?光輝まで、疲れてんの?賑やかなの好きなんじゃ……」
「この賑やかと、俺の好きなのは違う!」
基本が明るい光輝も女の叫びは嫌いらしく。
「俺も、光輝のそばにいてここまではないな……」
「おおう……世話係も大変なんだね。風斗」
光輝の世話係の風斗も、片手で頭を押さえている。
見てわかるように、げっそりしている彼ら。
クラスの中でも、女子の視線が……
「こりゃあ、とばっちりかな」
今年もまた、呼び出しをくらいそうだ。


