「草志、見て!美味しそうなお饅頭!貰ったんだよ!」 嬉しいことも、楽しいことも、なんだって呼び出してまで話してくれた、分けてくれた夕蘭。 「半分こね」 両親を亡くし、兄弟もいない彼女は天涯孤独の身だったのに、常に笑顔だった。 「お前は、俺が守るよ」 巫女としても、一人の女としても大事なやつだった。 愛してる、そう気づいたのは、いつの季節だったか。