「沙耶~!おはよっ!!」

「…柚香?」

教室に上がると、沢山のプリントを抱えた幼なじみに出くわした。

「…何、やってんの?」

とりあえず、プリントを半分受け取る。

「お、サンキュー!いやー、先生がさ、あれも、これもって積み重ねていくうちに、こんな量になっちゃって…沙耶がいてくれて、助かった!」

ショートの黒髪を靡かせて、ニカッと笑うのは、沙耶とは正反対にこの学校で男女ともに人気のある、沙耶の幼なじみで、この学校の生徒会長の月島柚香。

「本当、なんでも任されるね…で?これから、どこ行くの?手伝う」

お人好しな彼女はよく先生たちにお仕事を任される。
任されたからにはと、真面目に且完璧にするからまた、任される。

そんなことの繰り返し。

「マジ!?助かるー」

「本当、断ればいいのに…大体、学校紹介って…」

一番上のプリントを見ながら、呟く。