「―…御園相馬?」


やっぱり、どこかで聞いたことがある名前だ。


笑っている柚香を振り向くと、横では真姫が心配そうにこちらを見ていて。


「沙耶ー?おじさんたちが言ったでしょ?この間の会議の時の……ふ、ははっ…!」



(―…極めて冷静につとめようとしているが、吹き出す時点でアウトです。柚香さん)



心のなかで突っ込み、記憶を手繰り寄せる。


「…ああ!」


思い出した。


両親が会ったって奴のことか!


興味が無さすぎて、半分忘れていたが、こいつには会うのはすごいことだって、皆、言ってたな……