覚える気のない、女たち。


目障りだ。

早く、消えてくれないだろうか。


表には出さず、そんな感じで、談笑を続けていると、女たちの一人が食事をしていた女にぶつかった。


ぶつかられた力が強かったせいか、女はふらつき、転びそうになる。


手をさしのべようと思ったが、女たちに囲まれてそれどころではなく、本当に女は面倒くさく、自分の欲に忠実で、汚い生き物であると思った。



そして、完全にバランスを崩した女を支えたのは、側にいた女だった。


その女はチラリ、と、相馬を見ると、シャンパンを手にこちらに近づいてきて……


どうせ、ブランド目当てだと思った。



相手にするのが面倒くさいので、無視しようとしたら。




パシャっ…




――…次の瞬間には、相馬の髪から滴が滴り落ちていた。



「こんなところで、ハーレム作んな。このスケコマシ」



こんな最悪な、なんの物語性もない出逢い。



それが、俺と沙耶の出会いだった。