◼水樹side◻



思わず、息を呑んだ。


「えっ、先輩!?」


「うん、一応。似合わないでしょ?私、ドレスとか着るタイプじゃないもんね」


似合う、似合わないの次元ではない。


綺麗すぎて、驚いた。


どうやら、沙耶はちゃんとすれば、美人になるらしい。

いや、もとがいいのだろう。


パーティーに出席している男達の先輩を見る目が、欲に染まっている。


「どっちかっていうと、真姫は似合うよね。いつも、スカートみたいだし」


横に立っていた真姫を見て、沙耶は笑う。


――綺麗ですよ、沙耶。


「本当?真姫に言われると、自信がつくなぁ~あ、ねぇ、水樹、あっちの料理って食べていいの?」


はにかみながらも、並ぶ料理を見て、沙耶は目を輝かせた。


子供のそれとも言える瞳に苦笑しながら、了承すると。


「え?…ああ。いいよ~自由だから」


「マジ!?美味しいものをただで食べられるんなら、たまにパーティーに出ようかな」


何て、言いながら、沙耶は軽い足取りで歩いてく。