"藍" 闇の中の天使 【Since 2017/ 05/26~】

フェンスの柵の間からふと下を見る。

…とても高い。でも、これを飛び越えれば、間違いなく月にぃのそばに行けるはず。

星「ケホッ…まっ、ててねっ、月にぃっ!」

フェンスを握る手に力を込めて、なんとか立ち上がると、私は柵を登り始めた。

あと少しで、柵が越えられるーーとおもった時。

?「っっ!?!?何してんの!?」

誰かに突き飛ばされた。

星「きゃっ…」

そこには、蒼龍の奴らがいた。さっき私の事を突き飛ばしたのは、希衣だという事も分かった。

……男に触られた…。嫌な記憶が蘇る。

手足が今までよりもっと震え、背中には冷や汗が。息はままならなくなってきた。

星「あ、…いゃ…くっ…かはっ、ひっ」

そんな私を見て蒼龍はただ事じゃない事に気がついたみたい。

聖「おい、どーした?」

女嫌いのはずの聖が怪訝そうに聞いてきた。

星「あっ、、ひっ…やぁ……う、おぇ…」

しかし、私の口から溢れるのは、嗚咽と荒い息だけ。