♪朝やで〜遅刻すんで〜


「ん…うるさいなぁ。」
眠い目をこすりながら携帯の
時計を見る。


「ってはぁ??!!!
8時ぃ?!やっばぁ!寝坊!!」

私、佐藤優奈 16歳。


「いぃやぁ〜!
おかーさーん!何で起こしてくれないのさ〜!」

今日は高校の入学式。

なのに今まさに遅刻しそう!!


急いで新しい制服に着替え、メイクをしてドタバタと一階に降りて行くと、
母が呑気にコーヒーを飲んでいた。


『なんでって、何回も起こしたのに優奈が起きなかったのよ。』


母よ。だからって頑張って起こしてくれよ。

「もぉいい!行って来ます!」


私の家から桜ヶ丘高校まで徒歩5分だから間に合うとは思うけど…


「走れ!優奈!
お前にはやらなければならない事があるだろう!」


そう、高校に入ったら第一にする事が……


そんな事を考えていたら
後ろから頭を叩かれた。

『何がやらないといけないんだ?走らなくても間に合うだろ。』

後ろを振り向くと、
幼なじみで双子の圭太と紫苑が立っていた。