「あ、ごめんなさい。大丈夫、落ち着いたよ。現実なら仕方ないもんね。」

「えっと、マールさん。サールーンって言うのがこの世界？国の名前ですか？」

「えぇ、ここはサールーンという国。この国は獣人族の国で種族ごとに領地があるの。ここは羊人族の領地よ。」


「獣人って言うのは動物の姿と人の姿になれるってことですか？」

「えぇ、後は見てもらった方が早いわ。ジャミールこちらにいらっしゃい！」


「はい。」


そう言って現れたのは二足歩行の人型のモコモコ羊さんだった。

「獣人族は動物の姿に人の姿に人型の獣状態の半獣人の姿の３パターンの姿を持つ者達。因みに幼少期は動物の姿にしかなれなくて、成長に従って増える魔力で半獣人になり、青年期で人型になるのよ。そして青年期以降は自分の意思で好きな姿になれるの。」


「なるほど。
じゃあ私を受け止めてくれたのは可愛い子ども達だったんですね。
みんなありがとう。」

そう言って見つめると

「いいんだよ。落ち人は発見したら保護する決まり。そして王宮に報告するんだよ！」