「…橋本はセンター試験よく頑張ったな


この調子でO大医学部出願していいだろう



併願校はQ大とH大と…」



流れるように受験校が最終決定し


出願もとんとん拍子てすすめていった




「…3年前に橋本と同じようにO大医学部志望だった女子生徒がいた


その生徒は朝から晩まで図書館の学習机に向かっていた


自由登校になっても


家だと集中できないから、って


なんでも家が貧しくて


朝は新聞配達のバイトをして入学資金稼いで


学校から帰ってきてからは身体の弱い弟の世話をしていたそうだ」


進路指導の先生が昔指導していた生徒のことを話すのはよくあることだが


この女子生徒の話は初めて聞く




「家族を想ってのO大医学部志望だったそうだ


橋本も大切な人を想ってO大医学部目指したのか?


きっと橋本なら優秀な医者になれる


自信を持て!」