そう聞くと真人くんは意を決したように口を開いた。


「実は雪菜に大事な話があるんだ。」


「う、うん…?」


「実は、俺……」


そこから、真人くんは何かを言いかけたり、やっぱりやめたりを繰り返していた。


「真人くん、大丈夫?…今度でもいいよ?」


「いや、大丈夫。」


真人くんは深呼吸を1回した。


「実は俺、雪菜のこと好きなんだ。」


「え?」


「…返事、くれないか?」


その瞬間、頭に思い浮かんだのは…


『ねぇ、めんどくさいし洗濯やってよ〜』


『本当に雪菜ってバカなんだね〜』


『だから〜ここはコレを当てはめて〜』


めんどくさいが口癖の君だった。


なんで?本当だったら真人くんに告白されてかなり嬉しいはずなのに…


私もずっと真人くんのこと好きだったのに…


なぜか声が出なかった。


そのとき、誰かに手を引っ張られた。


「え?」


「悪い、真人!コイツもらっていくから!」


それは息がきれ、少し汗をかいている隆之だった。


隆之は私の手を引っ張りそのままどこかに駆け出した。