『あら、橋本さん』



そして当然の如く、階段を下りて此方に向かって来る星花さんと鉢合わせになる。



「星花、さん」



「泉が教室で貴方の事、待ってたわよ」


ドクン、心臓が跳ね上がる。痛い程に。



「せ、星花さんは里中に何か用があったんですか?」


震える唇で震える声、


バカ、これじゃ動揺してるのバレバレじゃない。



「私?
私は教室に忘れ物したから取りに来ただけよ。

教室の前、通り掛かったら泉が一人で本を読んでたから貴方の事待ってるのかな、って」



「そう、ですか」



多分合ってるけど、違う。


やっぱり二人に何かあったんだ。


だってそうでなきゃ、星花さんがあたしに嘘を吐く意味が分からない。