“次からは授業休むにしてもちゃんと報告しろよ”
溜め息を吐く先生に今一度謝った後、職員室を後にした。
駆け足で教室へと走る。
鞄にぶら下げている時計を見ると時刻はもう5時過ぎだった。
里中、きっと一人で教室で待ってる。
急がなきゃ!
渡り廊下を駆け抜け、階段を上り教室を目指す。
息が上がるのも気にしない。
迅る胸と躍る感情、そして僅かな覚悟と。
一気に流れ込んできて“あたし”が壊れちゃいそうだ。
ようやく教室が見えてきた時、あたしは走るのをやめ、呼吸を整えながらゆっくりと歩き出した。
教室には明かりが付いている。
里中だ。
約束通り、待っててくれたんだ!


