言える訳が、ない。



「お前はいつも教室では明るく笑ってるが、何処か少し影がある。

先生もそれには気付いてるぞ」



…‼︎



「先生を見くびるな」



そう言って、先生はあたしの頭をコツンと叩いた。



「てっ、」



叩かれた場所を思わず押さえる。



「いきなり何するんですか!」



「今回はこれで許してやる。
あんまり一人でいろんな事抱え込むなよ。
誰かに、何かに対して言いたい事があるなら、はっきり言え」



…っ、



「…はい」



与えられた言葉は暖かいもので。


今のあたしにとっては何にも代え難い力強い追い風だった。