そんな風になるのはあたしだけだって分かっているのに。



「俺、教室で待ってたら良い?」



その言葉に、こくりと頷き“有り難う”と答える。



「なるべく早く戻って来るから」


教室を出る際、無理矢理作った明るい声で里中に告げると先に教室を出て行った先生の後を急いで追い掛けた。



















「橋本、お前が授業をサボるなんて珍しいな」


職員室、教員の椅子に腰掛けながら先生はあたしに向き直る。



「すみませんでした」


あたしは、それしか言えない。
理由が理由なだけに。



「気分が悪かったなら保健室に行けば良かっただろう?」


「…はい」



「それとも何か悩み事でもあるのか?」



「……。」