「本当に、本当に待っててくれるの⁉︎」
興奮して席を立ち上がってしまう。
周りの視線なんか気にしない。
「うん」
周りの人なんか目に入ってこない。
今、カラフルな世界を魅せてくれるのは、
あたしの視界にいるのは里中だけ。
世界は一色だ。
「じゃ、約束ね!」
手早くお弁当箱を片付けると笑顔で里中に小指を突き出す。
「何、それ」
「指切りしよーよ!」
「指切り、って。 ガキか」
「ガキだもん。だって約束でしょ?」
「そんな事しなくても待ってるから」
呆れた顔をする里中、似つかわしくない程言葉は優しい。


