呼ばれた理由はさっきの授業に出ていなかった事。
里中を待たせる訳にはいかないし、これじゃあ一緒に帰れない。
「ごめん、自分から誘っておいてなんだけどやっぱり今日は一緒に帰れないや。
…凄く残念だけど」
しょんぼりと肩を落とす。
本当にツイてない。
恋の神様があたしに微笑んでくれる日は一体いつになる事やら。
「待ってようか?」
不意に聞こえたその声。
あたしは目を見開いた。
顔を見上げれば其処には里中。
相変わらずの無表情。
だけど、
「今、里中何か言った?」
「何か、って。
橋本の用事が終わるまで教室で待ってようかって」
幻聴じゃなかった…!


