「だよな、さっきあんなにぱく付いてたし」
ぎゃああああ、それも見られてたぁ!
「ち、ちょっと考え事してて」
「ふーん」
しどろもどろに答えたあたしの返事を他所に里中はお弁当の蓋をぱこんと嵌めた。
どうやらもう食べ終わったみたいだ。
「あたしの考え事、気になる?」
そうだったら嬉しいな、なんて乙女心を覗かせてちらりと里中を見やる。
「気にして欲しいの?」
「っ、」
「気になったら俺、最後まで聞かないと気が済まない性だけど
それで良いなら橋本の考え事を“気にする”事にする」
今度はぽかんと口を開けるのはあたしの方だった。
里中って、あたしが言うのもなんだけど、ちょっと変⁉︎


