「現に少しでも身長を伸ばそうとお弁当の中もカルシウム要素を含むおかずでいっぱい…」
お母さんが作ってくれたお弁当。
中身がよく見える様に箱を里中の目の前に突き出す。
「成る程。
小魚に乳製品、カルシウム含むヤツばっかだ」
里中は納得した様に頷いた。
「でしょ?」
これでも苦労してるんだからね…!
華の女子高生のお弁当の中身とは思えないけど…!
「でも中々伸びないんだよなー」
ミートボールを口に投げ入れながら剥れる。
「橋本って面白いな」
そんなあたしを里中はまじまじと見つめて言った。
「何かお前に友達が群がる訳が分かる気がする。
見てて飽きないわ」
お弁当と一緒に出したペットボトルのお茶を一口飲む。
その所作に危うく見惚れそうになってしまった。


