彼氏さんはあたしと里中の間で視線を泳がせていて、
星花さんは余程驚いたのか
目を見開いて、その場に固まってしまっている。
「行こ、橋本」
そんな中、里中はあたしの腕を掴んで強引に歩き出す。
「え、ちょっと、里中⁉︎」
「……。」
戸惑いを隠せないあたしに、里中は
“早く付いて来い”
とでも言う様に腕を握る力を込めたから。
「…っ、」
あたしは転ばない様に歩きながら、里中に付いて行った。
ふと、後ろを振り返ると其処には――
……‼︎
去って行くあたしと里中の姿を、じっと見つめている星花さんと
星花さんに何やら一方的に話し掛けている彼氏さんの姿があった――。
