「てっきり羽華の誘いに結構ノリ気な感じだったのかと思ったから」



ストレートにツッ込まれたあたしは、がくりと項垂れる。



「まあそんなの分かってたけどさー

そこまで現実を突き付けてくれなくても良いじゃん。

少し位、夢見させてよー」


むうっと膨れて、ツインテールの髪の先を指で絡ませてくるくると弄ぶと。


「だぁーめ。

変に期待させて最後に
あんたが傷付く姿なんて見たくないし」


「縡ちゃん、それ嬉しい事言ってくれてるけど酷い」


「何が」


「あたしがまだ傷付くかどうかなんて分かんないじゃん!」


くるくると弄んでいた髪の隙間から指を勢い良く引っこ抜く。


髪はくるんと弧を描いた後、すぐ弄る前の形に戻った。



「分かんない、って。

じゃあ里中が羽華の事を好きになってくれる勝算が少しでもあるの?」