「里中と一緒に登校したぁ⁉︎」


「うん」


休み時間。
教室の外、廊下の窓ガラスから中庭を眺めながら縡ちゃんに今朝の出来事を話す。



縡ちゃんは

“あの里中が羽華の隣を歩くとはねぇ”

なんて言って信じられないみたいだ。


「だって“好きにすれば”って言われたんだもん」


そう唇を尖らせると。


「あ、何だ、そーゆー事」


縡ちゃんは妙に納得したらしく気の抜けた顔になった。



「だよねー。
やっぱそう言う事だと思った」


「ちょっと縡ちゃん、それどう言う事?」



じとっと縡ちゃんに視線を向けると“だって”と返事が返って来た。



「それって“勝手にしろ”って言ってるのと同じじゃん。

つまりは羽華に関心が無いって事でしょ?」