「じゃ、じゃああたしこれから毎日早起き頑張るねっ!」



「変な奴。
今まで遅刻ギリギリだったのに唐突だな」



「良いじゃん!」


だって少しでも里中と一緒に居たい。



「まあ頑張れば」



素っ気無いけど、ちゃんと応援の言葉を掛けてくれる。


それだけで気持ちが舞い上がる。


嬉しくなる。

里中の一言で苦手な早起きも頑張ろうって思える。

恋って凄いパワーをくれる。


好きな人の言葉って不思議で偉大だ。



きっと里中にキツい一言を貰ったら
それだけで地に落とされたかの様に憂鬱な気分になるんだろうな。



普段のあたしからは、らしくないけど。



それからあたしと里中は会話を交わす事も無く
席に着いて二人きりの時間を過ごした。



気まずい、とかそんな雰囲気ではなくて。



静かな朝の空気が教室を包んでいて、

ただ心地良かった――。