何か…?
「うーん、難しい事はよく分かんないけど…
朝はこんなに瑞々しい空気を体感出来る時間なんだなって…」
ちょっと、大袈裟かな?
へへっと頭を掻くと。
「良いんじゃん?
橋本って、そんな表現が出来るんだって分かって
俺も今、少し有意義な時間過ごせてるっぽい」
理屈っぽい言葉。
だけどそんな一言が嬉しくて。
「里中は何でいつも朝早く学校に来てるの?」
「…今日の橋本と大体同じ理由かな」
相変わらず無表情だけど、あたしの質問にちゃんと答えてくれる里中に喜ばずにはいられなかった。
「また一緒に教室まで登校しても良い⁉︎」
教室に着いて自分の席へと歩いて行く里中の後ろ姿に慌てて声を掛ける。
「橋本が朝早く学校に来る日があれば、ね」
里中は一瞬立ち止まって
そう言ってくれた。