恥ずかしいっ、


赤く染まる頬。


里中はそんなあたしを不思議そうな顔で見ていた。


でも、知っててくれたんだね。
あたしが登校している時間。


そんな些細な事が胸を暖かくさせる。



「今日何かあったっけ?」


橋本日番でもないよね?、と首を傾げる里中。



「あ、特に何も無いんだけど…

たまには朝の空気を堪能したくて」


なんてごまかしてみる。


まさか


“里中の事を考えるとドキドキして
とてもじゃないけど家の中で大人しくしていられませんでしたー!”


とか言える訳無い。


でも苦し紛れの理由も里中には通用したみたいだ。



「橋本でも、そんな事思うんだ。

…意外」


里中は何かを考える様にして此方を見た。


「何?」


「今日、朝早く学校に来てみて、橋本は何か感じた?」