「橋本は見てて面白いけど恋愛対象にはならないよね。

悪いけど、好きにはなれないかな」



がーん…!


失笑された…!



あんぐりと口を開けるあたしに、里中は“じゃあ”と呟いて歩いて行ってしまった。



恋愛対象には、ならない。


好きに、なれない。



里中の言葉が頭の中を支配する。



そ、そんなのって無いよーっ!

















――――――――――
――――――……



「えええええっ⁉︎

里中が彼女と別れたぁー⁉︎」



「しーっ、静かにしてよ!縡ちゃんっ!」



あたしは口元に人差し指を当てて“しーっ、しーっ”と縡ちゃんに声のトーンを下げる様に促す。


里中に“あんまり人に言うなよ”
と言われた手前、他の人に知られる訳にはいかない。


だけど、自分の恋について一頻り考えてみると
あたしにはやっぱり縡ちゃんと言う相談相手が必要な訳で。