「ねぇ、橋本。

好きにさせてよ、これからもっと橋本の事」



里中の心が、あたしの中に入り込んでくる。


こんな日が来るのを、ずっと、ずっと夢見てた。



「じゃあこれからあたし、好きにするから。

里中が鬱陶しがっても傍にいるし、里中が他の人を好きになっても、ずっと好きでいるから」



「はは、そりゃ大変だな」


今度は顔を見合わせて、二人で笑った。


これで良いんだよね?


だってそう言う事でしょう?


これからは遠慮なんてしなくても良いんだよね?


好きにしても良いんだ。


里中の事、いくらでも胸を張って“好きだ”って叫んで良いんだ。



「これからどうぞ、宜しくね」



「こちらこそ」



あたし達の恋愛はここから始まるんだ――




“これから もっと里中の事好きにさせてね”