その“行為”が本物だったのだと分かる。
「…っ、本当にごめん」
「う、ううん、気にしないで!」
「でも…」
「本当に!平気! びっくりしちゃったけど」
へへっ、と笑って頭を掻いて見せる。
正反対に暗くなる里中。
そ、そんな自己嫌悪に陥らないでよー‼︎
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
お互い無言が続く。
この沈黙がそろそろキツいなと感じてきた頃、
「…帰ろっか、」
先に口を開いたのは里中の方だった。
「…うん」
それに頷いて、里中と肩を並べてペットショップを後にする。
『有り難う御座いましたー』
店員さんの声が、遠くから聞こえたけれど
うっすらとしか脳には響いてこなかった。


