“あんた、それどう言う意味か分かってる?”
そう言って里中は、ふっと息を吐いた。
「それって、橋本の面倒を見るだけで手が掛かるからペットを飼う余裕が無いって事だろ?
…気持ち的に」
な、何とっ!
気 持 ち 的 に !
それって、
「精神的に、って意味?」
「そうとも言うよね」
「えー、失礼過ぎるよ!」
むうっと膨れるあたし。
それを宥める様に里中はぽんぽんと頭を撫でてくれた。
「良いんじゃん?
手の掛かる子程、可愛いって言うし」
「っ、」
「橋本、両親に愛されてるよ。
勿論、周りの友達にもな」
「…有り難う」
どうしよう、こんな嬉しい事言われるなんて。
思ってもみなかった。


