「飼いたいんだけど、お母さんとお父さんがダメって」
「…そう」
「お前の世話だけで十分手を焼いてるからって」
「ぶはっ」
…‼︎
里中の吹き出した顔なんて、初めて見た。
口元を押さえて顔を赤くしてる。
そんなに可笑しい事言ったかなあ、あたし。
「里中?」
急に横を向いてあたしの方を向こうとしない里中に困惑しながらも声を掛けると。
「ごめん、ツボった」
里中の表情は普通に戻っていたけれど顔は赤いままだった。
赤くなった里中の顔が新鮮でこっちまで赤くなってしまう、と同時に。
「ツボった、って何処が?」


